解説:景気サイクルとエリオット波動原理
景気や経済の動きにはサイクルがあることは広く知られており、株価は経済状況を反映して動くことから、景気サイクルとエリオット波動は密接な関係があると考えられます。
エリオット自身も波動原理の発見以前から景気サイクルに大きな関心を持っていたとされています。
プレクターの重要な指摘
ただし、ロバート・プレクターは景気サイクルとエリオット波動の関係について以下の重要な指摘をしています:
「株価は特定の時間による循環的な動きではなく、形の繰り返しを反映している」 — ロバート・プレクター
4つの景気サイクルと波の階層の対応(図解)
① 4つの景気サイクルと波の階層の対応 — クリックで展開
4つの景気サイクル(詳細)
| サイクル名 | 周期 | 循環の種類 | 発表者・年 |
|---|---|---|---|
| キチンサイクル | 約40カ月 | 在庫循環 | ジョセフ・A・キチン(1923年) |
| ジュグラーサイクル | 約10年 | 設備投資循環 | J・クレメンス・ジュグラー(1860年) |
| クズネッツサイクル | 約20年 | 建設循環 | サイモン・クズネッツ(1930年) |
| コンドラチェフサイクル | 50〜60年 | 技術革新循環 | ニコライ・コンドラチェフ(1925年) |
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キチンサイクル(約40カ月)— 在庫循環
ジョセフ・A・キチンが1923年に発表。日本の政府認定景気サイクルにほぼ符合しています。波の階層としてはプライマリー波程度に対応します。
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ジュグラーサイクル(約10年)— 設備投資循環
J・クレメンス・ジュグラーが1860年に発表。サイクル波程度に対応します。
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クズネッツサイクル(約20年)— 建設循環
サイモン・クズネッツが1930年に発表。サイクル〜スーパーサイクル波程度に対応します。
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コンドラチェフサイクル(50〜60年)— 技術革新循環
ニコライ・コンドラチェフが1925年に発表。スーパーサイクル波程度に対応します。
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周期は上昇期と下降期を合わせた期間
各サイクルの周期は上昇期と下降期を合わせた期間であり、ひとつの上昇・下降局面はその半分程度になります。
対応関係の注意点
関連用語
まとめ
景気サイクルとエリオット波動の関係は、エリオット波動原理の源流③にあたる重要なテーマです。経済学では4つの主要な景気サイクル(キチン約40カ月/ジュグラー約10年/クズネッツ約20年/コンドラチェフ50〜60年)が知られており、それぞれがエリオット波動の波の階層と対応関係が考えられます。
ただし重要なのは、これらの対応関係はあくまで時間的な目安に過ぎず、明確なものではないという点です。ロバート・プレクターが指摘するように、エリオットが発見したパターンは「形」という点では反復性がありますが、時間と大きさでは必ずしも反復性は見られません。エリオット波動は特定の時間による循環ではなく、波の「形」の繰り返しを反映している、というのが本質的な理解となります。景気サイクルとエリオット波動の詳細な関係は、現時点ではまだ研究途上の領域です。
